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ジパング少年(ボーイ)感想 (後編) 

もっかい確かめてえんだ、
俺自身のニッポンを……


著者:
いわしげ 孝

雑誌名:
ビッグコミックスピリッツ(小学館)

初出:
1988年7月4日号(絶版)


前編のレビューを書いてから、一月近く経っていますが
ようやく後編です。

ジパング少年(ボーイ)感想(前編)については
こちらをどうぞ

ネタバレを含みますのでご注意ください
□ ガリンペイロ編(6~9巻)

一攫千金を夢見てペルーに着いた柴田ハル一向。
そんな彼らを待ち受けていたのは、自分の軽はずみな行動が、
簡単に命を落としかねないという、日本とは違う厳しい現実。
リマにて異国に来たことを再度実感し、
金の採掘所であるアマゾンのポルインカに向かう。
ハル達は大規模な金の鉱脈を探そうとするが…

ようやく真骨頂です。
日本を出たハルが、実際にガリンペイロとして暮らすことになり、
今後重要なキャラとなるイタリアから来た大学生、
ロッキー(自称)とソフィアに出会うこととなります。

このあたりの話は、非常に密度が濃い。様々な物語があります
・ととらとの別れ
・日本人であること、ペルー人であることのそれぞれの考え方
・ガリンペイロの実情 …etc

中でもこの辺が、一番命を失いそうな場面が連発、
「死」を実感させてくれる内容が多い

中でも途中、ゲリラの組織に連行され処刑寸前まで追い込まれたり
かなり日常からは現実離れしてきますが、上手く読ませます。



□ ビトコス編(9~15巻)

奇跡的にゲリラから逃れることが出来た柴田ハル一向。
ロッキーとの別れの際、彼がペルーに来た理由を口にする。
それは、誰にも発見されていない本当のエル・ドラド(黄金郷)
を探すため。
ピサロ達が略奪した金はほんの一部、
残りはある場所でひっそりと眠っているはず。
ビトコスにな …と

そしてハルは伝説の都ビトコスがあるというクスコに向かうことになる

エル・ドラドとは、理想郷とは、そして日本人とその進む道とは
作者自身が取材した、圧倒的スケール。その魂が込められた最終章。

柴田ハルが旅の最後にたどり着いた光景とは…


ここからはもう金の持つ意味がハルの中で変わってきます
運良く生き延びたハルは再会した日本のプロデューサーに、つぶやく

この国の金を金余りの国、ニッポンへ持ち出して、
そいで学校を作るなんて…
ホンっト、何、身勝手な夢
見てたんだろうなあ、俺…


するとプロデューサーは
こんだけ激しい国へ来て、自分らも生死の境をさまよって、
そいでも変わらず学校のことを言ってるようじゃ、
なんにも見てないことだと思ってたんだ。


そして
「面白え」だけの価値観でやってけるのは、日本だけだよ と

ここにえらい衝撃を受けましたね。
当時読んでて金堀りに対して、どうしても柴田ハルのとっていた行動が
完全に「良いこと」として受け入れられないわだかまりが解けた気がしました。ここは読んでて感動しましたね。

少年の成長を表した台詞だと思います


これ以降の最終話までは、あえて記しません。
もし興味がおありなら実際に読んでいただくことを希望するためです

単なる冒険活劇にとどまらず、非常に深く掘り下げた作品だと思います
あまり最近の作品では見られない文字通り「魂が込められた」というか
日本人の根底にある醜さ、美しさを描こうとした
作者の熱さのようなものを感じます。

間違いなく「名作」の一つに掲げる作品。
「花マル伝」とともにこちらもどうぞ(ちなみに絶版なので古本屋で)


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